2025年10月16日
【刑事事件】飲酒運転で逮捕後、勾留取消しで早期に身柄解放。執行猶予を獲得し、仕事への復帰を実現。

Dさん(40代/男性)
事件の概要
ある日の深夜、当事務所に連絡が入りました。「夫が飲酒運転で現行犯逮捕されてしまった」という、切迫したご家族からのご相談でした。直ちに警察署へ駆けつけ、逮捕されたDさんと面会しました。
Dさんは、人生で初めて逮捕されたことにひどく動揺しており、「この状況がいつまで続くのか」という強い不安に苛まれていました。当初は飲酒の事実をうまく話すことができない状態でしたが、それ以上に「仕事に穴をあけるわけにはいかない。とにかく一日でも早く、ここから出してほしい」と強く訴えていたのが印象的でした。
事件のポイント
ご家族からのご依頼を受け、Dさんの早期の身柄解放と、社会生活への影響を最小限に抑えることを目標に、以下の弁護活動を迅速に展開しました。
深夜の即時接見と信頼関係の構築
逮捕直後は、誰でも冷静な判断ができません。ご依頼後すぐに警察署へ向かい、深夜にDさんと面会しました。そして、今後の刑事手続きの流れや、取り調べに対する対応方法、考えられる今後の見通しなどを一つひとつ丁寧に説明しました。この初期対応により、Dさんの不安を和らげ、「この弁護士になら正直に話せる」という信頼関係を築くことが、その後の弁護活動の全ての礎となりました。
検察官との交渉と「準抗告」による身柄解放
Dさんが正直に事実を話す決意を固めた後、弁護士は検察官と面談し、Dさんには定職があり家族もいることから、勾留(逮捕後、さらに身柄拘束を続けること)の必要性がないことを強く主張しました。しかし、裁判所は勾留を決定。そこで、この勾留決定は不当であるとして、裁判所に対して「準抗告」という不服申立てを行いました。当初、Dさんが容疑を認めていなかったため、この準抗告をどのタイミングで行うかが、極めて難しい判断でした。
「潮目が変わった」瞬間~準抗告の成功
最適なタイミングを見計らって準抗告を申し立てました。その結果、勾留5日目にこの申し立てが裁判所に認められ、Dさんの身柄は解放されることになりました。弁護士が伝えしていた見通し通りに身柄が解放されたことで、Dさんとの信頼関係はより一層強いものとなりました。
解決結果
勾留5日目に無事に釈放されたDさんは、すぐに職場へ復帰することができました。その後、捜査は在宅(身柄拘束されない状態)のまま進められ、最終的に危険運転致傷罪で起訴されましたが、裁判では弁護士の主張が認められ、執行猶予付きの判決を獲得しました。これにより、Dさんは実刑を回避し、刑務所に収監されることなく、ご家族の元で社会人として生活を継続することが可能となりました。
弁護士からのコメント/同様の悩みを抱える方へ
逮捕は、ある日突然、誰の身にも起こりうることです。そして、逮捕されたご本人とご家族が最も望むことは、「一日でも早い身柄の解放」ではないでしょうか。
身柄拘束が長引けば、それだけで仕事や家庭に深刻な影響を及ぼしかねません。本件のように、弁護士が迅速に活動を開始し、検察官や裁判所に対して的確な主張を行うことで、早期の身柄解放を実現できる可能性は十分にあります。
当事務所は、深夜・早朝を問わず、ご依頼を受けれる状態であれば直ちに警察署へ駆けつけ、ご本人とご家族の不安を取り除くために全力を尽くします。