2026年3月14日

「どこに相談すれば…」万引きを繰り返す窃盗症。解決へ導く病院と弁護士の選び方

窃盗症(クレプトマニア)の正しい理解。知識ゼロから選ぶ「病院」と「弁護士」

当事務所では、愛媛県を中心に刑事事件を専門に取り扱っております。

今回は、当事務所へのご相談でも非常に多い「窃盗症(クレプトマニア)」についてお話しします。

窃盗症に関しては、全国からご相談・ご依頼をいただいております。  

万引きがやめられないご本人や、警察沙汰を繰り返すご家族の中には、「病気かもしれないけれど、どの病院に行けばいいか分からない」「刑事事件になってしまったが、どんな弁護士に依頼すればいいか基準が分からない」と、途方に暮れている方が非常に多くいらっしゃいます。

実は、窃盗症の根本的な解決と、刑事手続きにおける有利な結果(情状)を導き出すためには、この「病院選び」「弁護士選び」が極めて重要なのです。

最新の知見と当事務所の取り組みを交えながら、その理由をご説明します。

かつての考え方と、検察・裁判所の厳しい見方

万引きなどの窃盗行為をやめたくても繰り返してしまう窃盗症。

かつて、この症状は単なる「衝動的行為(ふとした衝動に駆られてやってしまったもの)」として考えられていました。

しかし、私が検事として実務に携わっていた経験から言いますと、検察庁はむしろこの「窃盗症=衝動的な犯行」という前提に立つからこそ、極めて論理的かつ厳しく追及してきます。

具体的には、検察官は証拠(防犯カメラの映像など)を見てこう指摘します。

「あなたは店内を歩き回り、特定の商品をわざわざ『選択』し、店員の死角を慎重に確認してバッグに隠している。ふとした衝動に駆られただけなら、手当たり次第に物を取るはずであり、このような理路整然とした行動は『衝動』からは到底説明ができない」と。

その結果、「犯行状況が衝動的とは言えない。したがって、これは窃盗症の症状ではなく、自分の意思でコントロールできたはずの通常の計画的な万引きである」と結論づけるのです。

当然、単なる言い訳とみなされ、情状(刑を軽くする事情)としても認められません。

おそらく、裁判所もこれと同様のロジックで厳しい判断を下しています。

拒食症と窃盗症をセットにする難しさ

また、医療機関によっては、拒食症(摂食障害)と窃盗症をセットにして診察し、「摂食障害のストレスが万引きに繋がった」と法廷で説明する医師もいらっしゃいます。

確かに併発するケースは存在しますが、刑事弁護の観点から見ると、拒食症と窃盗症の因果関係だけで裁判官や検察官を論理的に納得させるのは、個人的には非常に難しいアプローチだと考えています。

「行為依存」という新たな視点

そこで近年、非常に説得力を持って語られるようになっているのが「行為依存(行動依存症)」という観点からの説明です。

京都大学大学院情報学研究科の後藤幸織准教授がこの分野の研究や論文を出されており、非常に分かりやすくメカニズムが説明されています。

後藤准教授の研究によれば、窃盗症は「万引きをしやすい場面(スーパーの店内などの視覚情報)が刺激となり、無意識のうちに物を盗る行動に繋がってしまう」という、行為そのものへの依存状態であることが指摘されています。

つまり、「物が欲しいから盗む」のではなく、「盗むという行為のプロセス自体に依存している」という脳のメカニズムの問題なのです。

実は、この「行為依存」という考え方の方が、実際の万引きの犯行状況とも非常によく馴染みます

なぜ不必要な物まで盗んでしまうのか、なぜ捕まるリスクが高いのに繰り返すのか。

これらを「行為依存」という客観的な医学的見地から明らかにすることで、裁判官に対して、治療の可能性や再犯防止の取り組みを「情状弁護」として圧倒的に説明しやすくなるのです。

知識がなくても迷わない。病院選び・弁護士選びの基準

では、これらの実情を踏まえた上で、どのような基準で専門家を選べばよいのでしょうか。

まずは、病院選びの基準です。

【病院選びの基準】

1 医師の説明に心から納得できるか

私の考えは「行為依存」という視点から始まりますが、他のアプローチをとる医師であっても、その診断や説明に納得できるかが重要です。

例えば、前述した「ふとした衝動という割に商品を選んで盗んでいるのはなぜか」「なぜ不必要な物まで盗んでしまうのか」といった疑問に対して、その医師の診断がご自身の実際の行動を矛盾なく説明できているかという視点をしっかり持ってみてください。

「医師が言っているからそうなんだろう」と鵜呑みにするのではなく、ご自身のこれまでの行動と照らし合わせて、本当に腑に落ちる説明をしてくれるかを確認することが大切です。

 最初から抵抗のある治療を進めてこないか

治療には様々な手段がありますが、ご本人が強い抵抗を感じる治療を無理に受け入れるべきではありません

症状によっては薬物投与や入院治療が必要なケースもあり、ご本人がそれを望むのであればよいですが、最初からそうしたハードルの高い治療を積極的に進めてくるスタンスには疑問を感じます。

社会生活を続けながらの治療も十分に可能である場合が多いと考えます。

3 法廷証言や書類作成に対応してくれるか

刑事事件化している場合、医師の協力が不可欠です。場合によっては法廷に証人として出廷してもらったり、具体的な「治療計画書」を作成してもらう必要があります。

そういった司法との連携にしっかり対応してもらえるかどうかも確認すべきポイントです。

次に、弁護士選びの基準です。

【弁護士選びの基準】

1 弁護方針に納得できる説明をしてくれるか

せっかく適切な治療を行っていても、弁護人が法廷で裁判所にその意義を説明できなければ意味がありません。

そして、どのような方法で説明するのが適切か、戦略を練る必要があります。

「弁護士がそう言うから」と任せきりにせず、ご自身から説明を求め、きちんと理解・納得できる弁護方針を提示してくれるかを見極めてください。

2 弁護士に相談しやすいか

窃盗症の裁判は、治療と並行して進んでいくため、ご本人にとってとにかく精神的にきついです。

だからこそ、不安なことや精神的な辛さを弁護士に相談しやすいか、連絡が取りやすいかが非常に重要になります。

事務所に連絡した際に弁護士と直接話をさせてもらえるか、または、弁護士の連絡先を教えてもらえるかを確認してください。

3 事件終了後も見据え、本人の立ち直りを考えてくれるか

目の前の刑事事件が無事に終わったとしても、万引きを繰り返してしまえば、また全く同じ状況に逆戻りしてしまいます。

その恐ろしさを真に理解し、一時的な結果だけでなく、本人の根本的な立ち直りや再犯防止までを一緒に考えてくれる弁護士を選んでください。

当事務所が「MRCラボクリニック」と連携している理由とそのメリット

窃盗症の問題は、ご本人やご家族だけで抱え込んで解決できるものではありません。

目の前の刑事事件を解決する「法的なサポート」と、根本的な原因を解決する「適切な医療」の両輪が不可欠です。

当事務所では、窃盗症を「行為依存」の観点から専門的に分析・治療する「MRCラボクリニック」と緊密に連携した弁護活動を行っております。

当事務所にご依頼いただくことで、依頼者様には以下の大きなメリットがあります。

① 弁護方針と治療方針が完全に一致し、強力な弁護が可能になる

弁護士と医師が「行為依存」という共通の客観的視点を持っているため、主張にブレが生じません。

医師の治療アプローチを弁護士が正確に法廷に落とし込めるため、検察官や裁判官に対して非常に説得力のある情状弁護(再犯防止の証明)が可能になります。

② 「病院探し」に迷うストレスがなく、手続きがスムーズ

刑事手続きには厳しいタイムリミットがあります。その中で、ご自身で一から理解のある病院を探し、弁護士と医師の間に入って治療状況を伝達するのは多大なストレスです。

当事務所なら、刑事手続きのスケジュールに合わせた「治療計画書」の作成や法廷証言の依頼なども、医療機関と直接かつスムーズに連動して進めることができます。

③ 日常生活を続けながら、ハードルを下げて根本治療ができる

MRCラボクリニックは、過度な薬物投与に頼りきったり、安易に入院を勧めたりすることはありません。

仕事や学校などの社会生活を送りながら通院できるため、患者様ご本人にとって非常に治療へのハードルが低く、無理なく継続できるのが最大の強みです。

万引きをやめられずにお悩みの方へ

「やめようと思っても、どうしても繰り返してしまう」

「ストレスを感じると、ついお店に向かってしまう」

それは単なる「性格」や「甘え」の問題ではなく、適切な治療と法的サポートが必要な状態です。

ご自身の行為や、ご家族の繰り返す万引きで警察沙汰になる不安を抱えている方は、一人で抱え込まずに、ぜひ当事務所へご相談ください。

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    ※ 刑事事件であっても、サポート範囲外のものや弁護士のスケジュールによって、お断りさせていただく場合がございます。

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