2025年9月20日

松山地方検察庁から呼び出しの電話?当日の流れ・持ち物・注意点を解説

愛媛県松山市のnac刑事法律事務所です。

「松山地方検察庁から呼び出しの電話がきた…」 「呼出状が届いたけど、どうすればいいんだろう…」

このページは、他のサイトにあるような一般的な解説ではなく、実際に松山地方検察庁へ出頭する方のための、具体的で実践的な情報をまとめたものです。

松山地方検察庁に勤めていた元検事の視点から情報をまとめております。

検察庁からの電話や呼び出しは、あなたの今後を左右する非常に重要な局面です。しかし、必要以上に恐れる必要はありません。この記事を読めば、当日の具体的な流れや注意点がわかり、少しでも落ち着いて対応できるはずです。

【今治・西条・大洲・宇和島支部へ出頭される方へ】

このコラムは主に松山地方検察庁(本庁)について解説していますが、今治支部、西条支部、大洲支部、宇和島支部へ出頭される方もいらっしゃると思います。各支部は場所や電話番号が異なりますので、ご自身が本庁と支部のどこから呼び出しを受けているか、お間違えのないようご注意ください。各庁・支部の電話番号や窓口情報もこの記事にまとめておりますので、ご活用ください。

一般的な情報を確認したい方は、次のコラムをご覧ください。

第1章:松山地方検察庁からの呼び出し – 連絡が来たらまず確認すること

呼び出しの連絡を受けたら、まずは慌てずに以下の点を確認しましょう。

Q1. 松山地方検察庁の場所はどこ?車で行っても大丈夫?

場所・アクセス

松山地方検察庁は、松山市一番町の「松山法務合同庁舎」の中にあります。ANAクラウンプラザホテルの向かい側にある、レンガ色の建物です。 公共交通機関をご利用の場合は、伊予鉄道の市内電車「大街道」電停で下車し、徒歩数分です。

駐車場 庁舎の敷地内(路面電車が走る通り側)に駐車場があります。ただし、利用を希望する場合は、呼び出しを受けた際に電話で「車で行きたいのですが、駐車場は使えますか」と担当の検察官に確認し、許可を得ておくのが確実です。

万が一、庁舎の駐車場が利用できない場合に備えて、近隣の有料駐車場も確認しておくと安心です。比較的近い有料駐車場としては、松山市役所の駐車場があります。

松山市役所周辺駐車場のご案内(松山市公式ホームページ)

Q2. 検察庁からの電話連絡。日程変更はできますか?

検察庁からの連絡は、呼出状という書面が届く場合と、電話で直接かかってくる場合があります。

特に松山地方検察庁では、電話で直接呼び出しの連絡があるケースが多い印象です。

検察庁から出頭日時について連絡があった際は、まずその日時に合わせてご自身の予定を調整することを試みてください。

どうしても都合がつかない場合や、後から外せない用事が入ってしまった場合には、日程の再調整を相談することができます。その際は、決して無視することなく、以下のポイントを参考に連絡を取りましょう。

【電話での日程調整のポイント】

  • 連絡先・電話番号
    • 連絡は各庁・支部の代表番号へかけます。代表番号はまず総務課につながりますが、担当者でないと詳しい用件は分かりかねます。
    • 担当の検察官や事務官の名前が分かっている場合は、その人につないでもらい、日程調整をしたい旨を伝えましょう。
    • 担当者が分からない場合には、「〇〇警察署で、△△の件で話を聞かれていました。その件でご連絡を頂いた〇〇と申します。担当の方をお願いします」と伝え、担当者につないでもらってください。
      • 本庁(松山):089-935-6111
      • 今治支部:0898-22-0590
      • 西条支部:0897-56-3335
      • 大洲支部:0893-24-2415
      • 宇和島支部:0895-22-0144
  • 調整可能な日時
    • 日程調整は、平日の午前9時から午後5時までの間で行われます。検察庁は土日祝日は閉庁しており、時間外の対応も基本的には難しいため、平日で都合の良い日時をいくつか候補として考えておくとスムーズです。
  • 呼び出し方法について
    • 呼び出しが「書面」か「電話」かは、担当検察官の進め方によるもので、どちらが有利・不利ということは一切ありません。

【不在着信があった場合:必ず折り返しましょう】

もし、松山地方検察庁の番号から電話があり、不在着信となっていた場合は、必ずご自身から折り返しの連絡をしてください。

「知らない番号だから」と無視してしまうのは非常に危険です。この電話連絡を無視し続けると、「逃亡のおそれがある」と判断され、逮捕状が請求される可能性もゼロではありません。

不安な気持ちは分かりますが、問題を先送りにせず、誠実に対応することが、ご自身の不利益を最小限に抑えるために最も重要です。勇気を出して、まずは電話をかけてみましょう。

検察庁からの突然の電話や連絡でどうすれば良いのか、専門家の意見を聞いてみたいと思われたかもしれません。お気軽にLINEでご連絡ください。

第2章:出頭当日、庁舎に入ってから取り調べ終了まで

当日の流れを具体的にシミュレーションしておきましょう。心の準備ができるだけで、落ち着いて臨めます。

Q3. 当日の持ち物と服装は?

  • 持ち物
    • 身分証明書(免許証など顔写真付きのもの)、印鑑(シャチハタ以外)、呼出状(あれば)の3点は必ず持参しましょう。
    • 話したいことをまとめたメモを持参される方もいらっしゃいますが、取り調べ中に見ることは基本的に認められていないためご注意ください。
  • 服装
    • スーツである必要は全くありません。清潔感のある普段着で大丈夫です。お仕事の前後や、お仕事の合間に抜けて出頭される場合には、もちろん仕事着のままで問題ありません。

Q4. 何分前に庁舎に到着すれば良いですか?

約束の時間の5分前を目安に、本庁であればQ5で説明する警備員室で、各支部であれば検察庁の窓口で受付を済ませておけば十分です。

あまり早く着きすぎても、担当の検察官が他の事件の対応をしている場合、結局約束の時間まで待つことになり、かえって待ち疲れてしまう可能性があります。

一方で、約束の時間を20分程度過ぎても呼ばれない場合は、何か連携がうまくいっていない可能性も考えられますので、一度受付の警備員の方などに「まだ呼ばれないのですが」と伝えてみてください。

Q5. 庁舎に着いてからの具体的な流れを教えてください。(松山地方検察庁 本庁の場合)

  1. 庁舎の入口にいる警備員には軽く会釈する程度で、そのまま中に入ります。
  2. 庁舎に入って左手にある警備員室で受付をします。「〇時から呼び出しを受けている△△です」と伝えると、入館証(バッジ)を渡され、待合室で待つよう案内されます。
  3. 待合室は基本的に1階です。待合室のすぐ前に自動販売機やトイレがあります。取り調べが始まるとしばらく席を立てない可能性があるので、ここが用事を済ませる最後のタイミングと考えておきましょう。
  4. 時間になると検察庁の職員が名前を呼びに来てくれるので、その指示に従って一緒に取り調べ室へ向かいます。

Q6. 各支部の連絡先と窓口

松山地方検察庁の各支部へ出頭される際は、支部庁舎内の窓口の場所と連絡先が異なりますのでご注意ください。

  • 今治支部
    • 電話番号:0898-22-0590
    • 窓口:2階(1階は法務局です)
  • 西条支部
    • 電話番号:0897-56-3335
    • 窓口:1階
  • 大洲支部
    • 電話番号:0893-24-2415
    • 窓口:2階
  • 宇和島支部
    • 電話番号:0895-22-0144
    • 窓口:1階

Q7. 取り調べ中の雰囲気や、特に注意すべきことは?

  • 部屋の雰囲気
    • 取り調べが行われる部屋は、広さ6畳から8畳程度の一般的な部屋です。通常、担当の検察官1名と、話した内容を記録する事務官1名が同席します。検察官の年齢は様々で、20代から60代の検察官が在籍しています。
  • 所要時間
    • 複数回呼び出されることもある警察の取り調べと比べ、検察での取り調べ時間は短い傾向にあり、事件について正直にお話しする場合、1時間から2時間程度で終わることが多いです。これは、検察官が警察で作成された供述調書などを事前に読み込み、要点を把握しているためです。ただし、事件の内容によっては、複数回呼び出される可能性もあります。
  • 水分補給・休憩
    • 取り調べ中に飲み物を飲むことは基本的にできません。しかし、緊張で喉が渇いて話しづらいといった場合には、正直に「水を飲ませていただけませんか」と申し出れば、持参した飲み物を飲ませてもらえることもあります。検察庁から飲み物が提供されることはありません。また、精神的な負担が大きく、話すのが辛くなった場合も、遠慮なく休憩を申し出ましょう。
  • 供述調書への署名・押印
    • 供述調書への署名・押印は慎重に 取り調べの最後に、あなたの話した内容をまとめた「供述調書」が作成されます。これは後の裁判で非常に重要な証拠となります。 内容をよく確認し、自分の話したことと少しでも違う点や、ニュアンスが異なると感じた点があれば、必ず修正を求めてください。納得できない内容の調書には、絶対に署名・押印をしてはいけません。

第3章:取り調べ後の流れ – 検察官からの最後の説明に注意

取り調べが終わると、検察官から今後の手続きについて簡単な説明があります。この最後の連絡や説明が、あなたの今後を左右する非常に重要なサインになります。

Q8. 取り調べの最後に言われた言葉の意味は?

取り調べの最後に、検察官が今後の見通しについて話すことがあります。その内容は今後の処分を予測する上で非常に重要です。代表的な3つのパターンを解説します。

【重要】

あくまで「その時点での見通し」です。これから説明する内容は、あくまでその時点での担当検察官個人の見通しです。検察庁内部での最終的な決裁(上司の承認)を経て処分が確定するため、検察官が話した内容と最終的な処分が異なる可能性もあるという点は、必ず念頭に置いておいてください。

パターン①:「後日、裁判所から連絡が行きます」

  • 意味すること: 正式な裁判(公判請求)になる可能性が極めて高いです。
  • 解説:略式手続(罰金)などの説明が一切なく、この言葉だけを伝えられた場合は、法廷に出廷する正式な裁判が開かれることを見込んでいるサインです。できる限り早く弁護士に相談し、裁判の準備を始める必要があります。

パターン②:「略式手続で進めようと思いますが、よろしいですか?」

  • 意味すること: 略式手続(罰金刑)になる可能性が高いです。
  • 解説:これに同意すると、後日裁判所から罰金の納付書が届き、それを納めることで手続きは終了となります。

パターン③:「〇月〇日までに裁判所から連絡がなければ、この件は終わりです」

  • 意味すること: 不起訴処分になる可能性が非常に高いです。
  • 解説:検察庁から積極的に「不起訴にしました」という連絡が来ることは基本的にありません。そのため、指定された期日までに何の連絡もなければ、事件は終了し、前科がつくこともないと考えてよいでしょう。

このように、検察官が最後にどのような言葉を発したかによって、今後の流れは大きく変わります。どのような説明を受けたか、正確に覚えておくことが重要です。ご自身で判断がつかない場合や、不起訴になったのかどうかをはっきりと確認したいという場合にも、遠慮なく当事務所にご相談ください。

【まとめ】松山地方検察庁からの呼び出しでお悩みの方へ

検察庁から電話連絡や呼び出しを受け、今後の手続きやご自身の処分について、大きな不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

このコラムでは、松山地方検察庁からの呼び出しに関してよくお受けするご質問をまとめましたが、ここに記載がない内容や、ご自身の状況に合わせた具体的なアドバイスが必要な方も多いと思います。

検察官からの取り調べは、今後の刑事手続きにおいて非常に重要な意味を持ちます。

不用意な発言をしてしまい、ご自身にとって不利な状況を招いてしまうケースも少なくありません。少しでも不安があれば、一人で悩まず、刑事事件の経験豊富な弁護士に相談することが重要です。

当事務所では、LINEでのお問い合わせも受け付けております。今後の見通しや、取り調べにどう対応すべきか、具体的なアドバイスをさせていただきます。事案に踏み込まずに簡単にお答えできるご質問であれば、相談料はかかりません。

もし詳しいお話をお伺いする必要があり相談料がかかる場合には、必ずその旨を事前にお伝えし、ご納得いただいてから相談に入りますので、ご安心ください。

【コラムをご覧になった方へ】

LINEまたはお問い合わせフォームからお問い合わせの際に「コラムを見た」とお伝えいただきますと、通常30分5,500円の初回相談を、60分5,500円でご案内いたします。 検察庁に呼び出された段階では、不安な点や確認したいことが多く、お話が長くなる傾向があります。時間を気にせずお話しいただけるよう設けた特典ですので、ぜひご活用ください。

※電話でのお問い合わせは電話代行サービスにて承っております。そのため、電話口で本特典についてお申し出いただいても対応いたしかねます。また、特典の詳細についてお電話でお尋ねいただいてもお答えできかねますので、あらかじめご了承ください。大変恐れ入りますが、特典をご利用の際は、必ずLINEまたはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

ご相談内容が当事務所のサポート範囲外である場合や、弁護士の都合によりご相談をお受けできないこともございます。あらかじめご了承ください。

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