2023年5月11日
過失運転致傷で罰金を獲得して資格はく奪を回避
T.T(40代/女性)
事件の概要
わき見運転をして歩行者に接触し,全治2か月の怪我を負わせた。
受任時点では,検察官の取調べが終わっており,記憶にはないが携帯電話機を見ていたかもしれないと供述。
地元の弁護士に相談したところ,略式手続(罰金)になるから弁護人は不要と言われたが,検察官に公判請求(執行猶予付き判決見込み)すると言われ,資格はく奪を回避するために本職に依頼。
事件のポイント
検察官と面談して処分を待ってもらった後,被害者の方と示談を成立させ,携帯電話機を見ていた証拠に関して検察官に意見を述べたことで,略式手続(罰金)に移行
解決結果
交通関連の刑事処分は,時代の流れによって判断が変わるので,かつては罰金で済んだ事案であっても,より重い処分がなされることがあり,経験を積んだ弁護士であっても正確な見通しを立てることは難しいです。
取調べ時に緊張してしまい,意図していない供述をしてしまうことは少なくありません。
早い段階でご相談いただければ,弁護人から検察官に意見を述べることによって修正が可能な場合もあります。
本件では,検察官の取調べが終了した後でのご相談でしたので,もっとも遅い段階でのご相談でしたが,客観的証拠と矛盾する点を検察官に説明することで「携帯電話機を見ていた」という事実が認定されずに略式手続に移行しました。
ご依頼者様が禁固以上の刑ではく奪されてしまう資格を有している方でしたが,略式手続に移行して罰金で済んだことから,資格はく奪を回避することができました。
検察官から取調べ受ける前に,可能であれば警察から取調べを受ける前の段階でご相談いただくことで,より良い結果を得ることができる場合があります。
起訴をされる前の弁護活動が最も効果的です。
弁護人が不要かどうか見極めることができる弁護士は極めて少ないです。
刑事事件化しそうな場合にはお早めにご相談ください。